家に帰ってから、ふと思い出したことがある。
高校1年の夏、野球部のマネージャーをやっていた私は甲子園予選敗退後、購読新聞にその時の気持ちを投稿した事がある。数日後投書欄に載った。それから何年もして、父が病気と痴呆になってから、父の宝箱を整理したことがあった。そこに、その時の記事の切抜きがノートに貼り、コメントを書き、再び切り取ったものが入っていた。
「えっ、こんなところにとっておいてくれたんだ。」なんともいえない気持ちになった。私のことを思っていてくれたんだと。どちらかというと仲のいい父子だと思うが、互いの気持ちの交流はほとんどなかった。どうして、もっと言葉に出してくれなかったんだろう。なんで気持ちを感じ取ってあげることが出来なかったんだろう。後悔ばかりだった。
父が生きていたら、また、スクラップして喜んでくれたんだろうな。
ちょっとしんみり。
写真は年をとってからの父です。